唐津の海沿いをひとりでドライブしていたら、大きな看板が目に入った。
「マリンセンターおさかな村」。
おさかな村。
なんだか、かわいい名前だ。
村というからには、村長さんがいるのだろうか。
大きなサバかな。それとも、貫禄のあるマグロかな。
そんなことを考えていたら、気になってきた。
これは、ちょっと立ち寄ってみよう。

建物に入ると、魚や海産物が並ぶ売り場があった。
歩いていると、大きないけすを発見。
中を覗くと、魚たちがすいすい泳いでいる。
そのうちの一匹が、すーっとこちらに近づいてきた。
そして、ぴたりと止まった。
あれ?
今、目が合ったような気がする。
魚と目が合うなんて、普段の生活ではなかなかない。
「こんにちは」
心の中で挨拶してみた。
魚はしばらくこちらを向いていたけれど、やがてくるりと向きを変えて泳いでいった。
あっ、行っちゃった。
魚に挨拶しても、返事はない。
当たり前である。
それでも、あの大きな魚が近づいてきたときは、ちょっと面白かった。
もしかしたら、村長さんだったのかもしれない。
……いや、まだ言っている。
店内を見て回っていると、ここで気がついた。
店内は写真撮影禁止だった。
あらら。
旅先では、気になるものを見つけると、つい写真を撮りたくなる。ブログに載せようと思うと、なおさらだ。
でも、撮影禁止なら仕方がない。
店内で撮った写真はブログに載せず、ここからはカメラをしまって見学することにした。
写真が撮れないのは少し残念だけれど、せっかく立ち寄ったのだから、目の前の商品をゆっくり見て回ろう。
魚や干物など、海の恵みが並んでいる。
見ていると、あれもおいしそう、これも気になる。
気がつけば、買い物もしていた。
見るだけのつもりが、ちゃんとお買い物。
おさかな村、名前がかわいいだけではなかった。
ひととおり見て回り、買い物を済ませて車に戻った。
ふと、最初に考えていたことを思い出す。
そういえば、村長さんは誰だったのだろう。
あの大きな魚だったのかもしれないし、別の魚だったのかもしれない。
もちろん、魚が村長さんというわけではない。
ただ、「おさかな村」という名前を見たら、ついそんなことを考えてしまったのだ。
ひとりでドライブをしていると、気になる看板を見つけて、予定になかった場所に立ち寄ることがある。
そして、思いがけず面白いものに出会える。
今回の出会いは、大きないけすの魚と、かわいい名前のお店。
店内の写真は撮れなかったけれど、魚が近づいてきたときのことは、しっかり覚えている。
あの魚、いったい何を考えていたんだろう。
そう思いながら、私は再び車を走らせた。
ところで、おさかな村の村長さん。
もし本当にいるのなら、次はぜひお目にかかりたいものです。
立ち寄りメモ
注意: 店内は撮影禁止。ルールを守って見学しましょう。
場所: マリンセンターおさかな村(佐賀県唐津市浜玉町浜崎1922)
駐車場: 無料駐車場あり

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