名前が気になる展望所。新阿蘇大橋の「ヨ・ミュール」へ🚗

旅行・観光

南阿蘇の方へ車を走らせていたら、気になる名前の場所に出会った。

「新阿蘇大橋展望所 ヨ・ミュール」。

ヨ・ミュール。

なんだろう、この名前。

ちょっとおしゃれな海外の観光地みたいだ。

けれど、これは熊本弁で「よく見える」という意味なのだそう。

なるほど。

地元の言葉なのに、カタカナにすると急に異国情緒が出てくるのが不思議だ。

名前を考えた人、なかなかやるなあ。

そんなことを思いながら、車を降りて展望所へ向かった。

目の前に広がっていたのは、新阿蘇大橋。

2021年に完成した橋だ。

深さ100メートルを超える谷をまたぐように架かっている。

大きい。

とにかく大きい。

写真で見るのと、実際に目の前に立って見るのとでは、やっぱり違う。

「なるほど、たしかにヨ・ミュール(よく見える)だなあ」

心の中でつぶやいてみる。

名前の意味を知ってから眺めると、なんだか橋まで親しみやすく感じられる。

展望所の名前ひとつで、こんなに気分が変わるものなのか。

ここからは、新阿蘇大橋だけでなく、3つの橋を一度に眺めることができる。

少し先には長陽大橋。

そして、遠くの谷間には南阿蘇鉄道の赤い鉄橋、白川第一橋梁が見える。

緑の谷の中に、それぞれ違う形の橋が架かっている。

橋って、普段は渡るものだと思っている。

でも、こうして眺めてみると、橋そのものが景色の一部になっているのがおもしろい。

それにしても、あんな高いところに橋を造るなんて、人間ってすごい。

高所恐怖症のわたしなら、建設作業の初日で足がすくんでしまいそうだ。

いや、初日どころか、現場に到着した時点で帰りたくなるかもしれない。

橋を造る人たちには、尊敬しかない。

運がよければ、赤い鉄橋をコトコトと渡る電車が見えることもあるらしい。

今日は残念ながら、電車には出会えなかった。

でも、谷を吹き抜ける風が気持ちいい。

電車は見られなかったけれど、風はちゃんと楽しめた。

まあ、電車はまた今度のお楽しみということで。

旅には、予定どおりにいかないこともある。

でも、見られなかったものを残しておくと、また来る理由ができる。

そう考えれば、これはこれで悪くない。

熊本地震のとき、このあたりの景色は大きな被害を受けた。

そして、わたしの家も全壊した。

あのときのことを思い出すと、今でもいろいろな気持ちがよみがえる。

家が全壊するというのは、建物が壊れるだけではない。そこで過ごしてきた日々や、当たり前だと思っていた暮らしまで、大きく変わってしまうことだった。

だからだろうか。

こうして新しい橋が架かり、たくさんの人が訪れている景色を見ると、ただ「立派な橋だなあ」というだけでは終わらない。

あれから時間をかけて、橋が架かり、少しずつ景色が変わってきた。

ここまで来るのに、どれだけの人が関わり、どれだけの時間がかかったのだろう。

そんなことを考えながら、しばらく橋を眺めていた。

復旧に関わった人たちの努力や、前を向いて進んできた人たちの思い。

目の前の橋には、そうした時間も重なっているように感じた。

普段のドライブの途中で、名前がおもしろいからと立ち寄った場所。

最初は、ただ「ヨ・ミュールって何だろう」と思っただけだった。

それなのに、景色を眺めているうちに、いろいろなことを考えていた。

山と谷と、どこまでも広がる空。

その中に、堂々と架かる橋。

自分の悩みも、少し離れて眺めてみたら、今とは違って見えるのかもしれない。

もちろん、悩みがなくなったわけではない。

帰れば、いつもの生活が待っている。

それでも、こうして車を走らせて、普段とは違う景色を見るだけで、気持ちが少し軽くなることがある。

だから、ふらりと出かけるドライブはやめられない。

さて、次はどこへ行こう。

今度こそ、赤い鉄橋を渡る電車にも出会えるだろうか。

「ヨ・ミュール」からの景色を、また見に来よう。

そんな楽しみをひとつ残して、次の目的地へ向かうことにした。


🚗 今回立ち寄った場所

新阿蘇大橋展望所 ヨ・ミュール

  • 住所: 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽4368-1
  • 駐車場: 無料(普通車48台、大型車2台)

※営業時間やアクセスなどの施設情報は、訪問前に最新情報をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました